活動報告
平和市長会議加盟に向け強力に推進
2012年8月16日(木)
平和市長会議加盟に向け、第2回定例会一般質問で強力に推進しました。8月1日、恒久的な世界平和実現に向け、2020年までの核兵器廃絶を目指している『平和市長会議』の認定を受けました。

これは6月11日の定例会で、以下のように質問して実現しました。

 激動する国際情勢の中では、グローバル化、ボーダーレス社会が今後ますます急速に進展することは明らかです。これに対応するためにも、日本は外交力を高め、世界の平和と安定に貢献するとともに、地球規模の諸課題解決へリーダーシップを発揮し、人道的な貢献を競う国際社会の構築に向け、外交を積極的に推進していくことが求められます。

 ローマクラブ創始者アウレリオ・ベッチェイ博士は、「21世紀への警鐘」の対談の中で、「我々は自分の力に魅惑され、なすべきことではなく、できることをやっており、実際になすべきことやなすべきでないことに対しても、あるいは人類の新しい状況に潜んでいると考えなければならない道徳的・倫理的規制に対してすらも、何ら配慮することなくどんどん前進しています」と語っています。つまり、軍事目的を理由にした、できることの追求よりも、人道的になすべきことを優先させる国際社会こそ、戦争のない平和社会実現のための道程であることを示唆しています。

 私は昨年8月、広島の平和記念公園を訪ね、資料館を視察してまいりました。原爆の悲惨さは言葉にはなりません。母から聞いた光景が、つらく息苦しく押し寄せ、戦争への怒りが私の体内を逆流しました。

 私は被爆二世です。私の娘たちは被爆三世です。核兵器はこの地球上から廃絶しなければなりません。我が家では、毎年8月6日、カボチャの日としてカボチャの料理をつくります。

 私の母は、昭和20年8月6日、広島市内の財務局の官舎で被爆いたしました。閃光とともに暗黒の世界にほうり出され、家の下敷きとなり、夢中ではい出し、げたもなく、はだしのまま、やっとの思いで泉邸まで逃げ延び、竹やぶの中に身を横たえるのですが、その間母が目にしたものは、想像を絶する痛ましい人々でした。真っ黒になっている人、水を求める人たち、何もしてあげられなかったことが、母の人生から決して離れることはありませんでした。

 火の手が上がり、竹やぶが天にも届く炎を立てて燃え上がると、竜巻が起こり、何度も母たちを襲ったそうです。そのたびに目の前の川に飛び込み、火の手の通り過ぎるまでつかっていたそうです。昼か夜かわからない夕もやがかかった空からは、雨が降ってきました。黒い雨です。熱風にさらされる母たちにとっては、とても気持ちのいい雨だったそうです。

 かなりの時間がたってから、軍隊からおにぎりの配給があったそうですが、母は、余りの緊張と口のけがで全く食べることができず、この日は水だけで過ごしたそうです。翌朝、母は見たこともない見渡す限りの焼け野原の中を、官舎を目指して、痛む体に耐えながら歩き始めます。B29の爆音が聞こえても、もうこんなまちには爆弾は落ちないだろうと歩き続け、ようやく官舎跡地に着くと、庭に手まりぐらいのカボチャが真っ黒に焦げているのです。割ってみると、おいしそうなにおいが広がり、放射線によるカボチャの蒸し焼きができ上がっていたのでした。思わず口に入れ、何も食べていなかった母の命をつなぐことができたのでした。これが、我が家のカボチャの日の始まりです。

 核兵器は、人類の生存を脅かす悪魔です。生命尊厳の潮流を全世界に浸透させなければなりません。杉並区は、来年で平和都市宣言25周年を迎えますが、改めて田中区長の平和に対する率直なお考えをお伺いいたします。

 また、本区のこれまでの平和事業についてお聞かせください。

 母の体験を聞き取りした妹の作文が、国語教諭の小林桂三郎先生のご指導をいただき、生徒作品として、教育出版の現代国語3の教科書に昭和52年から6年間掲載されました。戦争の体験者は年々少なくなっていると思います。ましてや被爆者はごくわずかな方々です。私の母も、平成8年に75歳の天命を全うしました。

 戦争体験者の話を聞き、継承していくことは大変重要と考えますが、現在の小中学校での平和の学習状況と今後の方向性をお聞かせください。

 昭和29年3月、ビキニ環礁で行われた水爆実験の犠牲となった第五福竜丸の事故は、母港である焼津市議会に原水爆禁止決議を決定させました。このことは杉並の水爆禁止署名運動の発端となり、水爆禁止署名運動杉並協議会には、幼い私も母に連れられ参加していました。杉並の一角の庶民の声から始まった原水爆禁止署名運動は、やがて全国協議会の結成にまで広がり、平和を志向する多くの庶民の発信が杉並から始まったことは、余りにも有名です。

 そこで伺います。区は、現在、平和都市宣言を持つ自治体として日本非核宣言自治体協議会に加盟しておりますが、そのほかにも、恒久平和を希求する都市間の連携として、広島市が事務局を務める平和市長会議があります。1982年、この市長会議は、当時の広島市長の呼びかけにより設立され、本年5月1日現在、世界の153カ国の地域の5,238の自治体が加盟しています。2020年までの核兵器廃絶を目指し、平和行動を展開していますが、区の評価をお聞かせください。

 公明党は、人道的競争の時代へ、核兵器のない世界の構築へ向かって非核三原則を今後も堅持し、永遠に核兵器を保有しない、この方針を明確に宣言するとともに、核兵器禁止条約の締結へ向けた平和外交の取り組みを推進し、核兵器のない世界の実現を目指しております。

 座して平和を強調するだけでは、何も生み出しません。現実を直視した国際平和主義こそ、現行憲法の前文や9条の精神にかなうものと認識しております。杉並区は平和市長会議にも加盟し、平和行動の推進役となるべきであると強く訴えますが、区のご見解を伺います。